岡垣町で「ちたる農園」を営んでいる神谷愛と申します。
ちたる農園園主「神谷 アイ」のプロフィール↓
ちたる農園は、養鶏農家じゃありませんが、ニワトリを飼育してます。
ありたいことに、「当農園の卵を食べたい」という声が多いので、販売することにしました。
なぜ放し飼いにこだわるのか?
放し飼いの卵ってどんな味なの?
どんなふうに飼ってるの?
とお思いの方に向け、ニワトリとの暮らしぶりを紹介します!
Contents
ニワトリに厳しい国日本 養鶏の94%がバタリーケージ
さっそくですが、放し飼いをする理由をお話します。
それは、
ニワトリがニワトリらしく暮らすため
はい??ざっくりすぎてわかんない、、、
実はね、これが当たり前のようで当たり前じゃないのが今の日本なんです。
そう、何かと話題のバタリーケージ問題です。
バタリーケージってのは、鶏を金網でできたケージに閉じ込める飼育方法。1羽に対しipad1枚分のスペースしか与えられない超過密飼育法のことです。
日本ではバタリーケージの養鶏場が94%を占めています。
バタリーケージのニワトリは呼吸・エサ・排泄・産卵以外の自由が一切なく、身体の向きを変えるのも不可能で、一生満員電車の中で暮らしているのと同じです。
しかもケージは複数段になっており、上下に積み重ねられていて、下の鶏はフンまみれになるという不衛生な環境なのです。
詳しく知りたい方は“バタリーケージ”でググってみてね!中には閲覧注意な画像もあるので注意です
wikipedia→バタリーケージ
- 卵の品質の一定化
- 管理が容易
- 経済性
- 卵の生産性が高い
- スペースが狭く、鶏たちが十分に自由に動くことができない。
- 鶏たちが狭い空間で一緒に生活するため、ストレスがたまりやすく、争いが生じることがある。
- 羽ばたくことができず、筋力が落ちることがある。
- 鶏たちが排泄する物が大量に集まり、清潔な環境を保つことが難しい。
- 病気が蔓延しやすく、鶏たちに感染症が広がりやすい。
- 鶏たちが直接太陽光を浴びることができないため、ビタミンDの不足が生じることがある。
- 鶏たちが通常の行動ができないため、ストレスや退屈による異常行動が起こることがある。
- 鶏たちが常に同じ場所にいるため、鶏たち同士の社交性や個性が失われることがある。
- 鶏たちが飼料や水を食べる場所が限られるため、栄養不良や水不足が生じることがある。
メリット・デメリットありますが
メリットに関して言えるのはすべて
「人間の都合」です。
狭い場所で・管理が簡単で・安く・大量に卵を生産するための、、、
結局は「お金」なんですねー。
そのためにニワトリが犠牲になってるんです😨
そんなバタリーケージはニワトリにとって苦痛以外の何物でもない、となり、廃止の流れが世界的に広まってます。
「動物は生まれてから死ぬまでその動物本来の行動をとることができ、幸せでなければならない」とするアニマルウェルフェアの考えが浸透しているんだね。
バタリーケージを廃止する諸外国の行動↓
欧州連合(EU)は一早く2012年にバタリーケージの使用を禁止した。さらに、バタリーケージよりも広く巣箱や止まり木などを備えた「エンリッチドケージ」の使用も、27年に禁止する計画だ。
養鶏全体に占める平飼いの比率はEU平均ですでに5割を超え、中にはドイツなど9割を超えている国もある。
米国でも平飼いが急速に増えている。農務省によると、今年2月時点の平飼い比率は37.1%と、10年前の9.7%の約4倍。カリフォルニア州やマサチューセッツ州など、州法でケージ飼いを禁止する州も急速に増えている。
動きは欧米にとどまらない。
ニュージーランドは昨年、バタリーケージの使用を全面禁止した。
オーストラリアも36年までにバタリーケージを禁止する計画。
台湾は、脱・ケージ飼いの取り組みの一環として、どれが平飼い卵でどれがケージ飼い卵か買い物客が一目見てわかるよう、卵にその旨を表示する仕組みを導入した。
消費者が平飼い卵を選ぶことで、生産者に平飼いへの移行を促す狙いだ。同様の取り組みは韓国でも行われているという。
出典:yahooニュース値段は3倍でも「平飼い卵」の人気じわり拡大 消費者ニーズの高まり反映 適正価格の議論に一石も
一方日本はというと、、、
いまだに94%がバタリーケージ!!
平飼いなどはたったの6%しかありません。
お店で売っている卵で「平飼い」と書いてなければほぼバタリーケージ飼育だよ!
バタリーケージが主流になっている3つの理由
日本でバタリーケージが主流なのは3つの理由があるんです。
1つ目:国土の狭さ
省スペースで大量生産するには過密飼育が必須です。
限られたスペースにいかに多くのニワトリを詰め込むかが優先されるため、必然的にバタリーゲージという選択肢になるのです。
2つ目:卵大好き国家
日本人一人あたりの卵消費量が年間337個。世界第二位の卵消費国です。だから大量の卵を供給する必要があるんですね。
3つ目:バタリーケージを知らない国民がほとんど
日本の放送自由度は「第3ランク」(独裁国家とおなじくらい)と低く、都合の悪い内容は国民の目に止まらないよう巧妙に規制されてるんですね。
バタリーゲージは日本の「闇の一面」
メディア等で国民の目に触れることはまずありません。
スーパーで売っている格安卵はバタリーゲージのニワトリが命を削って産んでくれたもの、そして大半の国民がその卵を食している。
動物好きの方も多くいるでしょう、愛犬、愛猫のようにニワトリも同じ生き物、、、
なので、口にする卵が過酷な環境で暮らすニワトリが産んだものだと知れわたると、国中がパニックになるかもしれない、だから真実を伝えない。
その結果日本人の9割がこの現状を知らないという悲劇、、、
😨とことんニワトリに厳しい国です、、、
んで当然だけど
こんな生活嫌!!
ですよね〜。
狭い檻の中じゃちっともニワトリらしく生活なんかできません。
ニワトリは生き物。野山を駆け回ったり、地面を突っついたり、羽をバサバサさせたりしたいのです。
だからちたる農園ではニワトリたちの権利を最大限に尊重し、
微力ながらケージフリー飼育をひろめ、少しでもバタリーケージの子が減ることを願って放し飼いをはじめたのです。
ケージフリー飼育を広めたい
じゃあニワトリが過ごしやすい環境に近づけるには??
って話ですが、
ここで「ケージフリー飼育」という言葉がでてきます。
文字通りケージ(囲い)のない、歩き回ることのできる環境のことなんですが、
ケージフリー飼育は2つに分けることができます。
それが「平飼い」と「放し飼い」
違いはなんだろう?
平飼い→鶏舎や豚舎の中で飼育すること
放し飼い→家畜を屋外に放して飼育する方法
要は小屋の外に出すか出さないかってことね!
平飼いは、家畜が自由に行動できるような環境を提供し、開放的な飼育スペースを確保することで、家畜の運動量を増やし、ストレスを減らすことを目的としています。
ただ、バタリーケージに近い過密状態で平飼いしている場合もあります。これは、鶏舎の中に広いスペースを設ける代わりに、狭いケージに多数の鶏を詰め込むことで、飼育スペースを節約することが目的。
これにより、鶏が広いスペースで自由に動き回ることができず、密度が高いため、ストレスや感染症のリスクが高くなる可能性があります。これは、本来の平飼いの理念に反するものであるので、鶏肉や卵を選ぶ際には、注意が必要です。
一方、放し飼いではニワトリが屋外で飼育されるため、自然の環境に近い環境で育つことができます。
運動量が増えるため、健康にも良い影響を与えます。
しかし、天候や気象条件によっては、家畜の健康に影響を与えることもあります。
フムフム、比べると放し飼いのほうがのびのび過ごせそうだね〜
たしかにそうだけど、放し飼いにはデメリットもあるのよ
ニワトリは外敵に襲われやすいです。外に出すことは身の危険をはらむことにもなります。
ニワトリを狙うのはイタチ・たぬき・カラスなど。
イタチやカラスは住宅街にもいるので、油断できません。
逆にケージ内だと襲われる心配もないので、安全。
そう考えるとニワトリにとってどっちが幸せなのか??
と疑問ですが、自由に歩き回る姿が幸せそうに見えるので、放し飼いにしてます。
独断と偏見です、ホントはどうなんだろ?
そして、放し飼いにすると運動量が増え、エサの消費が多くなります。また、活動エネルギーが増えるので、産卵数も減ります。
肌感覚ですが、エサ代、労働力、その他の経費を合わせると、10個200円(平均価格)じゃ元が取れません😨
ってことは 放し飼いを本業でやるとほぼ赤字
です。
日本の卵ってすごい安いんですって。
海外は最低でも300円。
低コストで生産するしわ寄せが全部ニワトリに降りかかっているのがこの国です。
ちたる農園のニワトリの1日
ちたる農園のニワトリってどんな暮らしをしてるのか、紹介します。
- 個体数は25羽(変動あり)
- 卵は1日10個程度
- 品種はボリスブラウン・シャモ・五島さざなみ・おうはんプリマスロックが混在
- 雄鶏は4羽いるのでほぼ有精卵
↑シャモのオス
山のふもとにある小屋がコッコたちのおうち↓
山が西日をさえぎる涼しい場所に建てたよ!
小屋の建築についてはサブブログで紹介してます→リンク
1日のおおまかな流れ↓
3:00〜 起床
6:00〜 エサ・水やり
11:00〜 産卵
13:00〜 運動タイム(放し飼い)
18:00〜 小屋に戻る 就寝
起床・えさやり
ニワトリの朝は早いです。
朝3時頃から「コケコッコー」と大音量で鳴き始めます。
ここが田舎で良かった、、、
6時頃にエサやりに行くと「待ってましたー」とばかりに大興奮したニワトリたちとおはようの挨拶を交わします。
ついでに健康状態もチェックします!
午前中に産卵
ニワトリの産卵時間は午前中です。11時頃までにほぼ全員産み終えます。
どこで産むかわからなくなるので、まだ外へのドアは開放しません。
産卵箱は8箇所あるんですが、
なぜか1箇所だけ大人気の場所があってほぼ全員そこで産むんですねー。不思議、、、
産卵待ちの行列ができるよー
採卵鶏なので産んだ卵はあたためません。産みたての卵は温かいです。
放し飼いタイム
昼からは待ちに待った自由時間。
ドアの前に行くと「開けてー」と言わんばかりに詰め寄ってきます。
ドアを開けると、おもいおもいのところへ出かけていきます。
ニワトリたちの様子↓
なんかこう
生きてるーー
って感じが写真から伝わってきたのなら幸いです。
まぁホントのびのびしてるんですね。
放し飼いをしてニワトリの生態を知ることができました↓
動きもユニーク!ずっと見てても飽きないなぁー
小屋に戻って就寝
暗くなり始めると 小屋に戻ってきます。
小屋に戻るようしつけるにはコツが必要ですが、慣れたら勝手に戻るようになります。
意外と頭いいです。
放し飼いのコツはこの記事参照
真っ暗になって見えなくなる前に、止まり木に登って眠ります。
エサは自家製発酵飼料
エサは自家製配合飼料を朝に1回与えます。
無添加で自然のもののみを使った自然飼料です。
サブブログで紹介してます→配合飼料の作り方
しかし、このときから進化しました!!
ポイントは「発酵」よ!
発酵させることで鶏が健康&卵がおいしくなるのですが、、
上手に発酵させるのはけっこう難しい!!
発酵と腐敗は紙一重で、最初は腐敗させまくってました😅
それでもチャレンジし続け、発酵のコツをつかむことができたので、詳しい作り方については別の記事で紹介したいと思います。
あとは放し飼いタイム時に野山の草や虫などを食べ栄養を補ってもらいます。
ここは山のふもとなので多様な植物や虫が自生しています。
好き嫌いはあるようですが、結構いろんな種類の草をついばんでます。
ちたる農園の放し飼い卵
スーパーの卵と比較すると、
- 味はあっさり
- 色はうすめ
- 殻は厚い
- 大きさイロイロ
って感じ。
一般の配合飼料に含まれる黄身をオレンジ色にしたり、味を濃くする添加剤はつかってません。
無添加なので、ごく自然な色合いです。
でも味はしっかりあるんですねー。
放し飼いだからさぞかしワイルドな風味かと思ったのですが、クセはなくマイルドなのが特徴。くどさもありません。
発酵飼料のおかげでしょうか?
あとうまく表現できませんが、卵から野生のエネルギー的なものを感じます。
放し飼い卵販売してます
というわけで、ちたる農園の放し飼い養鶏の様子をお伝えしました。
もう一度言いますが、放し飼い養鶏を始めた理由は
ニワトリたちの権利を最大限に尊重し、
微力ながらケージフリー飼育をひろめ、少しでもバタリーケージの子が減ることを願ってのことです。
産んでくれた卵は我が家では消費しきれないので、販売してます。
スーパーの卵とはちょっと違うオリジナルな卵ですので、卵マニアの方にもおすすめかも。
気になる方はSNS、公式ラインからメッセージくださいね!
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ちたる農園についてはこちら↓
それではかしこー!!
こだわりは「放し飼い」です!